セピア‐ため息の行方
  ちなみに花梨と恭のなんとも間が抜けたその会話が、李と蛍子の笑いのツボに見事にハマってしまった感じの2人は、顔を見合わせてケタケタと笑い出した。


「もう、花梨ちゃんてば壷田さんの名字にツボが付いてるからってそんなに受けなくても良いんじゃない?」
  と蛍子が冗談交じりに笑いながら言うと


「おー!そうきますか。って言うかなるほど良く考えれば壷田さんの名字って正にツボが付いてますね」
  とその笑いは愛にまで伝染した。


  そして
「さあさっ、お代わりどうぞ」
  と言いつついつの間にか出来上がりつつある未成年の雛子は花梨にビールをしきりに薦めた。
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