セピア‐ため息の行方
「だね。恭サンキュ!」


「って言うか、早っ!いつの間にか僕の呼び方が閏さんから恭になってるし」
  と言って恭は悪戯っぽく笑った。


  恭はこんなに短期間でも峻甫と心が自然と通じ合えるのは、多分お互いのピュアな心と心が出会って、魂レベルで心の琴線(きんせん)に触れたからなんだろうなと、そう思った。


  ちなみに何年間親交があっても時期が過ぎれば、自然消滅してしまうような関係と言うのは、結局お互いが望む事が相手側に伝わらなかった結果なんだろうなと恭は思った。たとえばこの僕が星空の事を思いひたすら待ち続け、その僕の一途な気持ちに真剣に向き合ってくれた星空が、こうして僕をこのスピリチュアルの世界に導いてくれたからこそ、ようやく僕達2人が結ばれたように……。
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