セピア‐ため息の行方
「そう、その言葉はぴったりだと思うわ。花梨ちゃんあなたは正に選ばれし者なのよ」
そう改めて李に言われ、限りなく戸惑う花梨なのだった。
李とこうして話しながら家路へと歩く道すがら次第にあたりが段々に淡い緋色に染まってきた。心持ち地面に映る花梨の影も長くなった気がする。が、しかし驚いた事に気ずけば隣にいる李の影はなかった?
「あれ?!李さんなんで影が映らないのですか?」
と花梨は少し声を荒げて聞いた。
「うん。この世界では影が映らないのはもう既に死んでいるって言う証なのよ。現世から此処へ来ている人達の影はちゃんと見えるの。だから此処へ来ている人達の事は身体的欠如の他に影を見れば一目瞭然って訳。今度良く観察をして見ると良いわ。結構面白いわよ」
とそう無邪気に言う李に花梨は
「はあ。生きている人だけに影が存在しているのですか?って事はすなわち私、まだ生きている内に入っているんですね?」
と言った。
そう改めて李に言われ、限りなく戸惑う花梨なのだった。
李とこうして話しながら家路へと歩く道すがら次第にあたりが段々に淡い緋色に染まってきた。心持ち地面に映る花梨の影も長くなった気がする。が、しかし驚いた事に気ずけば隣にいる李の影はなかった?
「あれ?!李さんなんで影が映らないのですか?」
と花梨は少し声を荒げて聞いた。
「うん。この世界では影が映らないのはもう既に死んでいるって言う証なのよ。現世から此処へ来ている人達の影はちゃんと見えるの。だから此処へ来ている人達の事は身体的欠如の他に影を見れば一目瞭然って訳。今度良く観察をして見ると良いわ。結構面白いわよ」
とそう無邪気に言う李に花梨は
「はあ。生きている人だけに影が存在しているのですか?って事はすなわち私、まだ生きている内に入っているんですね?」
と言った。