セピア‐ため息の行方
  途中で李と蛍子はスピリチァルの講義で使う資料を準備する為と言って二人揃って席を外した。なのでこの後部屋に残された二人はお互いに色々な話をした。恋の話。好きな本の話。気に入っている言葉。など他沢山の事についてお互いにじっくりと話した。


  その時現世で仕事の忙しさに忙殺されていた花梨は最近はこんなに人と話をしたのは久し振りだったような気がした。それにしてもなんと心地良いのだろう。人とおしゃべりをすると言う事はと花梨はしみじみ痛感した。


  すると唐突に
「ねえ高校を卒業したら私、東京の大学を受験する事にするわ。そうすれば花梨さんとこうして頻繁に会ってたのしいおしゃべりが出来るしね」
  と雛子が言った。


  それを聞いた花梨は
「そうね。私もその方が良いと思う。手紙やメールのやり取りばかりで普段会いたい時にすぐに会えないのはやっぱり辛いし寂しいものね」
  と花梨が言った。


  すると
「そうよね。離れているよりかは近くにいる方が心の繋がりと言う点が断然違うと私も思うわ」
と期待に胸を膨らませつつ雛子が言った。
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