セピア‐ため息の行方
  さて李と蛍子が講義の準備を終えて部屋に戻って来た。でもって二人はそれぞれに分厚い本を小脇に抱えていた。


「お待たせ。ではこれから本格的にスピリチァルの講義とディスカッションを始めたいと思います」
  と言ってまず蛍子が言うと次に李が資料を花梨と雛子の机の上に置いた。


  そしていよいよスピリチァルの講義が始まった。
「さてスピリチァルとはつまり大まかに言うと魂と言う意味です。そして魂と魂を触れ合いお互いに良い方向に行く手助けをするのが、私達ガイドスピリットの使命なのです。この使命と言うのはある程度勉学でもって体得をしなければ身につきません。だからこれから少しずつ私と李さんとでお二人に教えてゆきますので、しっかりと体得して欲しいと思っています。まあ雛子ちゃんは以前から少しずつ講義を受けてきているので、重複して聞く事になるかも知れませんが、複習をするような気持ちで新たに講義を受けて下さいね」
  と蛍子が雛子の顔を見ながら言った。


  すると
「はい。解かりました」
  と素直に雛子が答えた。


「ちなみに現世でのまだ芽が出ないままの作家の卵やイラストレーターの卵それに役者の卵達と言うのは、あなた達お二人のような修行中の立場の方がスピリチァル講義の一環として行っている実習の結果です。そう言った事はガイドスピリットの項目の『実技』のページに説明書きがしてありますのでキチンと目を通しておくようにして下さいね!」
  と蛍子がはっきりとした口調でもって言った。
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