セピア‐ため息の行方

「花梨ちゃんこの男性は蛍子さんの甥にあたる壺田峻甫さんよ。なんか間違えて私のトコに来てしまったみたいなの。だから取り合えず今夜はココに泊まって頂く事にして、明日蛍子さんのお家に送り届ける事にするから宜しくね」
　　と李は咄嗟に機転を効かせた。


　　そう説明された花梨は
「まあ？！あなたは蛍子さんの甥の方だったんですか？私は李さんの孫で倉橋花梨と言います。宜しくお願いします」
　　と言うと丁寧にお辞儀をした。


　　そう花梨が挨拶したので
「あっ、ぼ･僕は蛍子さんの甥で壺田峻甫です。こちらこそ宜しくお願いします」
　　と峻甫は慌て言った。


　　とこの時顔を上げて花梨の顔を間近に見た峻甫は、花梨のあまりの可愛いらしさに目を見張った。


「あの私の顔に何かついてますか？」
　　と花梨はあまりにも不躾に人の顔をじっと見ている峻甫にそう聞いた。