セピア‐ため息の行方
  すると
「あらら……」
  とやや拍子抜けした感じの蛍子の声が、受話器の向こうから聞こえてきた。


「ごめん……」


「ん?!って言うか可笑しいわね?確か花梨ちゃんと壺田君は、花梨が現世に戻ってから出会うはずだったように思うけど???」


  その李の言葉を聞いて
「あら?!そうだったの?」


「うーん。どっちにしてもきちんと調べないと解らないわね」
  と李はややため息混じりにそう呟いた。
< 88 / 291 >

この作品をシェア

pagetop