セピア‐ため息の行方
「おそらく壺田君側の新米スピリチュアルガイドが、初歩的ミスでもしたんじゃない?詳しく経緯(いきさつ)を調べないと、解らないけれどね」


「なるほど。そうだったわ。そう言う事例報告があるって事を私すっかり忘れてた。じゃあ私明日早速その経緯を調べてみるわね。でも私は花梨ちゃんで手一杯だから、取りあえず壺田君を蛍子さんトコで暫く置いて頂けないかしら?」
  と李が言うと


「良いわよ。私の場合姪の雛子が長い事私の家に滞在してる訳じゃなくて、時々此方(こっち)に来るだけだから」


「良かった。そうして頂こうかしら。じゃあ明日早速蛍子さん家(ち)に壺田君を連れて行って、私はその足で壺田君の事を調べに行くから宜しくね」
  と言うと李は電話を切り受話器を電話機の横にそっと掛けた。
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