Rain
「…今日こそ行かなきゃ」

朝、ベッドから起き上がって、ボンヤリする頭のまま呟いた

机の上には、選択して綺麗に畳まれた先生のシャツがある

「…これも返さなきゃいけないし……」

私は、そう呟くと、ノソノソと立ち上がって支度を始めた








…1週間も無断欠席してるのに先生は1度も連絡してこなかった

普通なら、高校生が無断欠席すると、担任から家や親に連絡がいってバレる

でも先生は、私が無断欠席をしている事情を知ってるからか、1度も連絡はしてこなかった

そのお陰で、朝、パートで私よりも早く家を出て、
帰りは、私が学校から真っ直ぐ帰って、家に到着する時間よりも、ほんの少し遅く帰ってくるお母さんにはバレないようにサボる事が出来た

でも、いつまでも先生の優しさに甘えてばかりいる訳にはいかない



私は意を決して、1週間ぶりの外に出た―――
< 129 / 324 >

この作品をシェア

pagetop