Rain
私は、そんな愛実のご機嫌をとるための話を始める


「それよりさ聞いてよ!さっき私が学校出る時に傘立ての前でうちのクラスの坂田達が騒いでてさー『ママに入学祝いに買って貰った大事なブランド傘が無いー』って」

そう言ってバカみたいに、さっきの坂田さんのモノマネをしてみせる

私のその言葉を聞いて、坂田の傘をとった彩がすぐに反応する

「えっ、したら、これ坂田の傘だったの!?」



「て、事だね」



「マジかよ!ウケるんだけど!てか似合わねー!しかもママに買って貰ったって、どんだけマザコンなんだよ!」




彩の言葉にサヤカも冷静に返す
「つか、そんな大事な傘なら学校に持ってくんじゃねーよ。しかも、あんな鍵も何もない傘立てになんか立ててさ。あれじゃあ盗ってくれって言ってるようなもんでしょ。自業自得」



「さすがサヤカ!良いこと言う!」



「別に?思った事言っただけ」



「にしても、この傘あんなキモオタが使ってたやつなのー!?マジキモい!デザインは良いのに使えねーんだけど!マジ最悪!」



「だったらセカストにでも売ったら?」



「セカストー!?うーん……」








そんな話をしてる二人を横目に隣にいる愛実を見ると一緒になって笑っている












…良かった…












愛実の機嫌が治った―――
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