Ｒａｉｎ

僕は、人見知りで、感情の表現が下手で、無愛想だった

でも、美雨はそんな僕とは全く正反対で、いつも笑ってて、底抜けに明るくて、誰とでも仲良くなれて、いつも自分の感情に素直で、こんな僕にも笑って向き合ってくれる

そんな彼女に惹かれ始めていた

でも、僕は知っていた

…壱成も美雨の事が好きだという事を―――

―――壱成が美雨の事を想う気持ちは、高校時代からのものだ

昨日、今日好きになった僕とは、多分、美雨を想う気持ちの強さが全然違う

それに僕から見ても、明るい壱成と美雨は似た者同士だと思うし、凄くお似合いだと思っていた

だから、僕は、この美雨に惹かれる、名前も分からないような淡い思いを自分の中だけに留めておく事を決めた



そんなある日の雨の日だった―――