Rain
「…本條!」

後ろからは私を呼ぶ声と、追い掛けてくる足音が聞こえる

それでも振り返る事はせず、私はひたすら走り続けた

…涙が止まらない



でも、先生が追い掛けてきてくれている―――

それが唯一の救いだった

先生は私を気にかけてくれている

それを感じる事が出来るのなら、どんなに呼ばれても、振り返らず、止まらず走り続ける―――…

そんな事で先生の気持ちを図る…

私は、本当に子供だ―――…



でも、そんな時だった

いきなり先生の走る音が聞こえなくなった

私を呼ぶ声も…
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