Rain
…先生は、私を追い掛ける事をやめたのだ………


「ははっ、そりゃ、そうか……」

私は乾いた笑いを浮かべながら、そう呟いた

でも、その言葉とは裏腹に、目からは止めどなく涙が溢れだした




そりゃあ、そうだ
追い掛けてくれる訳がない
…こんな事で先生の気持ちを図ろうとする子供の事を―――


それに何より、先生は美雨さんの事が好きなんだから―――…


…でも、酷いよ……

……私と美雨さんを間違えるなんて……

……酷いよ、先生………



私は、廊下の片隅でしゃがみこみ、しゃくり上げながら、ひたすら涙を流した―――
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