Rain
「…あの写真……撮ったのサヤカでしょ?」

私は真剣な顔で問いかけた
でもサヤカは、その質問を待ち構えていたかのように鼻で笑いながら言った

「はぁ?何?勝手な事言わないでくんない?証拠でもあんの?」

「……サヤカは…多分、私と性格がよく似てるから………もし、私がサヤカなら写真を貼ってたと思う」

俯きながら、そう言うと、サヤカはニッと笑って返してきた

「…へぇー、面白いじゃん。
でも、もし仮に、あの写真をウチが貼ったとして、ウチ、何か悪い事した?てか悪い事してんのは、むしろあんたらの方じゃないの?普通に考えて教師と生徒の恋愛がNGなのなんて、誰が考えても分かる事だし」

勝ち誇ったような顔をして、そういうサヤカを見た途端、私の中で何かが弾けた
そして私は、次の瞬間、サヤカに怒鳴り付けていた

「…何で!?私の事が嫌いだとしても、もう私、グループ抜けたじゃない!愛実のお気に入りでも無くなった!それどころか、むしろ今なんて苛められてる!それなのに何で!?何で、こんな事すんの!?」

私がそう言った途端、サヤカの中の何かも弾けたようで、私の胸ぐらを掴みながら、怒鳴り付けてきた

「…はぁ?嫌い?…何、言ってんの?

……ウチはテメーの事が嫌いなんじゃない!憎いんだよ!

顔もスタイルも大した事ないくせに、愛実に取り入って……前からずっと憎かったんだよ!

だから、あんたがグループ外される日が来るのを心待ちにしてたのに……実際、外されたらどう!?
アンタ、どんなに嫌がらせされようが全然こたえてねーじゃねーかよ!」

…確かにそうだ……

私はグループを抜けてから、愛実達に度々嫌がらせをされた

でも、学校には先生がいたし、準備室に行けば、愛実達にされて辛かった事も、嫌だった事も全部吹っ飛んでしまった

「…ウチはテメーのその澄ました顔が、グチャグチャに崩れるのを、ずっと見てみたかったんだよ…………だから、その為に雪平も利用させてもらったって訳」

サヤカはそう言って、不敵な笑みを浮かべた

その笑顔を見たと同時に、私は迫りくる絶望から、その場に座り込んでしまった


…私のせいで?

……私のせいで先生まで巻き込まれてしまったの…?

考えこむ私を嘲笑うかのように、サヤカはスタスタとその場を後にしようとした

そんなサヤカに私は、小さく問い掛けた

「…一昨日……地下鉄か何かで私を見掛けたの……?……それで……後をつけてきたの……?」

そう問い掛けると、サヤカは驚くべき事を言った
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