Rain
「はぁ!?アンタ本気でバレてないと思ってたの!?
アンタと雪平が普通の関係じゃないのなんて、とっくの昔から気付いてたよ!」

「まず、最初に疑い持ったのは雪平が赴任してきた時。

アンタの態度を見て、何かあるなってのは一発で勘づいた。

でも、それが確証に至ったのは、愛実が勘違いして一時的にアンタをハブったあの日!

あの日、アンタ保健室でサボってたっつってたけど、ウチ、1時間目の時、トイレ行くふりして保健室に行ったんだよね。

でも、アンタはいなかった。

で、もしかしてと思って、準備室に行ったら、案の定だよ!

アンタと雪平の話し声が聞こえてきた!

それから、ウチはアンタと雪平が普通じゃない関係とふんで、準備室に盗聴器を仕掛けて、夜中、学校に忍び込んで、職員室で雪平の住所を調べさせて貰ったって訳」

「…盗聴器……!?……夜中に職員室に……!?」

笑いながら言うサヤカに、私は鳥肌が立った

私を潰す為に、関係ない先生まで巻き込み、盗聴器まで仕掛け、夜中に職員室にまで忍び込む執拗さに恐怖を覚えた

「…あ、一応言っとくけど、いつもみたいに雪平に泣きつこうと思っても無駄だよ。
今の状況でアンタと雪平が二人きりで会ってたりしたら、それこそ付き合ってるって認めてるようなもんだから。
そんな事したら、立場ヤバくなるのは雪平の方だよ。

……他校にとばされるか……下手したら懲戒免職になるかもね」

そう言って、高笑いしながら去っていくサヤカに私は何も言い返す事が出来なかった



…サヤカの言う通りだ……

…先生の事が大好きなのに……

…他でもない私が、先生を苦しめる原因になっている……

…教師という職業は先生が、美雨さんから受け継いだ大切な夢だったのに……

…私のせいで、その夢が絶たれようとしてる―――?
< 268 / 324 >

この作品をシェア

pagetop