Rain
家に帰って、ずっと、さっきサヤカに言われた事を考えていた

すると、そんな時ケータイがなった

着信は先生から

「…雪!?」

「美雨!、今日、大丈夫だったか!?」

「…うん……」

私が、そう答えると、先生は申し訳なさそうに言った

「…今日、学校に行ったら、いきなり校長室に呼び出されて、写真突き付けられてさ……
写真さえ無ければ、いくらでも言い逃れ出来るけど、写真を突き付けられたら、もうどうにも……
君が心配だったから、すぐに様子を見に行きたかったけど、職員室から出る事も許されなくてさ、見張りも付けられて、ケータイもまともに弄れない状況で………すまない……」

「…先生、ごめん……ごめんなさい…私が…私が、学校以外で会いたいなんて言ったから………」

「いや、君のせいじゃない。
あの日、家に来いって言ったのは俺なんだから。
こっちこそごめん……」

自分の立場も危うい状況の筈なのに、私の心配をする先生に、思わず涙が溢れた

そして気が付いたら叫んでいた

「……違う!違う!……私の………私のせいなの……………あの……写真を貼ったのは……………サヤカなの……」

「……えっ?……松雪が……?……でも、何で……?」

案の定、先生は不思議そうに問い掛けてくる

そりゃあ、そうだ

私だって、サヤカから理由を聞くまでは訳が分からなかった

「…サヤカは……私が思ってたよりも、ずっとずっと私の事、嫌ってた……憎んでた………それにサヤカは、私達の関係も前から勘づいてたみたい………それで、私に復讐しようと準備室に盗聴器を仕掛けて…………ごめんなさい!本当にごめんなさい!……私と付き合ったばっかりに雪をこんな目に遇わせて!本当に、本当に……ごめんなさい!」

私は泣きながら、先生に何度も何度も謝った

「……何だよ、それ………盗聴器って…………とにかく君のせいじゃない!絶対に……!

…………とにかく美雨は絶対、俺が守るから!

……だから、心配しないで………それから………辛かったら、落ち着くまで休んでも良いからな…」

「……嫌……!私もちゃんと学校に行く……雪にばっかり背負わせれない…………ねぇ、私、大丈夫だから。
もし、退学になるような事があったとしても、バイトして自分の分位なら、何とか食べていける位、稼ぐ事だって出来るから………だから、雪は教師を続けていく事だけ考えて………」

私が、そう言うと先生は少し考えた後に小さく言った

「……ん………美雨…好きだよ……」

「…私も……私も大好き!」

そう言った後、電話が切れた



そして、その後、小さくため息を吐いた

何か、何か嫌な予感がする……



『俺が守る』って………

何をするつもり…?

………雪……
< 269 / 324 >

この作品をシェア

pagetop