Rain
「テメーの悪行、棚にあげて、他人責めてんじゃねーよ」

教室のドアの方から、そんな声が聞こえてきた

正直その声は、今の私が一番、聞きたくない声だった

その声の主は私と先生をばつが悪そうな顔で交互に見た後、小さく呟いた

「…って、俺も他人の事言えねーけどな……」

クラスで人気者の彼が来た事で、教室の中は一瞬にして歓声に満ちた

「おぉー!三沢!お前、久し振りだなー!メールも全然返信来ないし、心配してたんだぞ!」

「……悪かったな…心配かけて」

「ったく、本当だよー!」
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