Rain
そんな事を考えながら歩いていた時、ふいに後ろから私を呼ぶ声がするのに気が付いた

「ねぇ、ねぇ」

「はい?」

振り返るとそこにいたのは若い二人組の男

「ねぇ、君、高校生?」

「可愛いねー!これからお兄さん達と遊ばない?」


私はこれから愛実達の所に行かなきゃならない
だから当然そんな時間は無いし、そもそも、こんな何処かの売れないお笑い芸人みたいな二人組と遊ぶのはごめんだ



「先約あるから……」
そう言って通り過ぎようとすると男の一人が手を掴んで話してくる

「先約って、もしかして友達!?JKの!?」

「したら、その子達も一緒に遊ぼうよ」


「はぁ!?」

そんな事出来るわけない
もし、こんなしつこいブサ男を愛実達に会わせるような事になったらグループ内での私の評価は、がた落ちだ
そんな事になったら今までの努力は水の泡だ


「そんな事出来るわけないでしょ!てか、この手離してよ!」


いくらそう言っても――

「そうツレないこと言わないでさー」




……しつこい…せめて手が振りほどければ良いのだが男の力で強く掴まれてるので振りほどくにほどけない





「もう、しつこい!無理だって言って―――」




「無理だって言ってるでしょ!?」そう叫ぼうとした時だった
< 6 / 324 >

この作品をシェア

pagetop