【空色の未来[海色の過去]】
≪第1章 思い出をたどり…≫
キーンコーンカーンコーン…
空は曇り、思い浮かぶ青空はあの覆い被る雲によって見えなかった…
今日は何日…?
あれからどのくらいの月日が経ったのだろう、今でも昨日の事のように思い浮かびそうでそれを降りきりたくてまた意味もなく空を見上げた…
雨が降るな…
雨は嫌い…
だってあの日を思い出すんだもん。
そんなの絶対に嫌…
着なれない制服に身を包み、新しい鞄には携帯と財布と鍵だけいれてリビングに向か
った。
「はよ」
「おはよ、狼牙(ロウガ)」
リビングには珈琲(コーヒー)片手に新聞を読む狼牙がいた
「もう行くの?」
「うん」
「今日ぐらい遅れてけば?」
少し拗ねたような顔で聞いてきた狼牙に首を横にふった
今日は転校して初めて学校に行く日
絶対に行かないといけない
まあ別に休んでも良いけど、やっぱり早く行ってみたい気持ちの方が強いから狼牙には悪いけど今日は行く。
「終わったら連絡しろよ」
「わかった」
話が終わってそそくさと玄関に向かった
「待て」
ギクッ
「飯は?」
「…いらない」
「喰え」
半強制的に朝食を食べたが少食の私は朝から食べれないのに無理矢理食べさせる狼牙を横目で睨んだ。
食べ終わった私に狼牙は満足そうに珈琲をすすっていた。
前に朝は食べないって抗議したら無理矢理スプーンでアーンさせられたからそれ以上は何も言わないことにした。
とりあえず支度はすんだから狼牙に学校まで送って貰った。
歩いていける距離なのに狼牙は心配して昇降口まで送ってくれた。
人に見られてるのが恥ずかしいので明日からは門までにして貰った。
ここか…青蘭高校……
理事長の所に行かなきゃ
理事長室どこだろ?