【空色の未来[海色の過去]】

携帯を見て驚いた…てか、引いた…





受信メールが50件、電話が13件来ていて、
全部凪と葵からだった。




涼介と話をしている間は電源を
切っていたから、全然気づかなかった


これは怒ってるな…


何て言い訳しよう…




漸(ヨウヤ)く理事長室に辿り着くと
私はまずソファーでお説教させられた…



そして今やっと解放して貰えた


今日の昼食はオムライスに
ミネストローネ、それとサラダだ。


私の好きなものまだ覚えてくれたんだね


でもやっぱり食べきれなくて、
お皿にあるオムライスを半分食べたら
もうお腹一杯だった




「それで、何の話してた?」





さっき屋上で青龍と話をしてた事はもう知ってるんだね…





「……心をズタズタにされた人は、本当の意味で人に甘えたいという思いを無理に隠そうとする。だけど、人の心はそう簡単に扱うのは難しい…」




「?」




凪の質問の答えを言わない…
違う、簡単には口にするのは自分が許さなかったから。




「心は誰かの愛情によって…人から貰う優しさによって、心の傷が癒えるの。
私はその消えかけた心に
手を伸ばしただけ、
彼がまだ信じたいと願ったから
克服するのに手を貸してあげたの。
そして、克服した。
まだ私だけだけどね…」




だから、凪にも分かりやすく伝える




「そっか…また人を救ったんだな。」




凪が優しく微笑んでくれたけど
私にしたら救うと言うより、



小さな輝こうとしてる心を守ってあげたいと思ったから勝手に体が動いたの…




またプカプカと煙草を吸い始めた凪に向かって一言告げた




「私、青龍の姫になった…」




ゲホッ ゲホッ ケホ カハ…



凪が噎(ム)せた





煙草が絨毯(ジュウタン)に落ちて慌てて靴で消しにかかった凪を横目で見て、また窓の外を見上げた





「お前正気かっ、あの青龍だぞ…苦しむのはお前だ、絶対やめとけ後悔するぞ!!」




「もう決まったから、それに…」




「それに何だ?」




私は窓の外の空を見上げた





「__が今の青龍を見てやって欲しいって言ってたから。」





凪も私と同じように空を見上げた





「そうか…」





何か言いたそうだけど
あえて言ってこないのが凪の優しさだよ





「もうそろそろ、教室戻る…」





「ああ、帰りも理事長室来い」





「ん」





ガラガラ…ピシャッ





「ふー…、青龍か…彼奴がそう言うんなら仕方ねえけど無理はしてほしくねえよ、

…そんだけ大切だったってことだ
彼奴と美緒は、お互いにな…。」





煙草をもう一本吸って空を見上げた凪の目には涙が溜まっていたなんて私は知らなかった…



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