【空色の未来[海色の過去]】


ズキッ…





痛っ

やば頭が痛くなってきた




教室に戻ったら寝よ…



教室には今日2度目の葵の授業があり
青龍のメンバーも全員居た

私は静かに席に着き即効俯せになって寝た



すると、葵が近づいてきた





「飯食ったか?」





「う、ん……」





葵は私の異変に気づいた




「どっか痛えの?」




「頭が少し」




「熱か…薬取ってくっから寝てろ」




「ん」




葵から了解を得て私は寝ようとしたが
でも簡単には寝れるわけなく




「美緒!頭痛えの?」




超ド級に五月蝿い夏樹のビックボイスに
頭の痛さはどんどん増す




「う…ん…。」




バシッ




「夏樹うっせえ、美緒寝かせてやれよ」




少し打ち解けてくれた涼介が私を察して夏樹を叱った…


今は本当助かる…




ガヤガヤ…ザワザワ



それにしても…

クラスが五月蝿い




キャハキャハ マジで…ヤベえじゃん
超スゲエ …あれな、マジうぜえ…




本当やめて…

頭痛すぎる



俯せ(ウツブセ)にしてた態勢をさらに丸めて
五月蝿すぎる騒ぎ声をシャットダウンした





「……煩え」





隣から響也の威圧的な怒鳴り声が聞こえると生徒の声は一瞬で静かになった



そして隣から




「大丈夫か」




響也がさっきの威嚇的な声とは真反対でとても穏やかな優しい声で言ってきた


一応あんた総長でしょ


こんな小娘に気を使って良いの?


でも、まあ




「ありがと」




「ああ」




響也にしては優しいよね




これでやっと眠れ……




「キャー、響也様がいるわ~♪」




「みてみて、夏樹くんと目があった♪」




「今日も涼介くん可愛い♡」




「男らしいわ、佳祐くん♪」




「祐介様♪その優しさ私のだけにしーたーい!!」




…無かった


どうやら、休み時間になったようで青龍の追っかけが来たようだ


クラスの騒がしさより酷い…

てかそれ化粧の部類にはいるの?
パンダみたい…




ズキッ




やばい、これは流石にヤバい…
吐き気まで出てきた


この女子達の化粧に
香水の匂いは危険すぎる…




臭い…




もう無理




ふらつく足で椅子から腰をあげた




「おい!」




「…平気だから、葵に理事長室って伝えてくれる?」




私は返事を待たずに教室を出た


このとき誰かと一緒に行けば良かったのかな…



理事長室は1階、ここは3階…
階段を使わなきゃ辿り着けない




本当にヤバい、吐きそう




「…何で今日転校してきたアンタが青龍の姫になれんのよー!ふざけんな!!」




後ろから向かってくる女子の叫びに私は気づいたが、体は思うようには動いてはくれなかった。




まずい、私の予感が正しければ金属の音が聞こえたから…

後ろに迫る女子は刃物を持ってる


少しまずいかな…







ドスッ…






私は出来る限りの力で横に移動したが
刃物は私の左の二の腕に思いっきり刺されてた


やばい刺されちゃったな…


刺されたことにどうでもよく思えて
どうしょうか、と考えてると……





ポトッ…ポトッ…




血が腕を伝っていく




血…




血…









嫌っ__が…、__が苦しんでる…










イヤーッ、やめて!!お願い!!









「キャーーーッ!」




そこから意識が無くなった




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