【空色の未来[海色の過去]】
響也side
教室が開くとあの女、美緒が戻ってきた
だけど具合が悪いみたいで
葵先生が薬を取りに行った
頭痛か…
だが五月蝿いみたいで縮こまったから
クラスにいる奴等を黙らした
「ありがと」
こいつが珍しく感謝してくれた
「ああ」
なんか頬が熱い…照れてんのか俺…
だが他のクラスから来た
青龍の追っかけ共が騒がしくさせる
美緒は…
理事長室に向かった
彼奴大丈夫かな…ふらついてたぞ
美緒の心配で一杯になっていると
先程居た青龍の追っかけのうち何人かが
美緒を追いかけて行ったのが見えた…
糞っ、嫌な予感がする…
俺は慌てて美緒の後を追いかけた
だが…
俺が目にしたのは、美緒が追っかけの女と対等に向かい合っていて、その女に理屈の通らねえ言い分で刃物を刺されている光景だった
だが美緒は刺されるのは分かっていたかのようで、冷静に致命傷を避けていたが刃物は二の腕に刺さった…
それでも冷静な美緒に驚いたが
美緒は自分の血を見ると…
大袈裟なぐらい震えだした
瞳には朝から見てきた無表情と
比べ物にならないくらい闇色に染まって
何も写していなかった。
目の前にいる女や、俺でさえも…
「おい…」
「キャーーーッ!」
一瞬、何が起きたか理解できなかった
初めて聞く、美緒の悲痛な恐怖の叫び声が廊下に響きわたったんだ
目の前で立ちすくんでる女はその叫び声を聞いて、その場から逃げていった
叫び声を聞いた朔弥達が来た
「あの女を追え!!」
「ああ、」
「了解」
「……」
俺の指示で朔弥と夏樹は即効走っていったが、それよりも早く指示を聞く前から女を追っていくのは涼介だった
佳祐と祐介は刺した女と一緒に
手を組んでた女達を捕まえてた…
後でしっかり朔弥に
お仕置きされんだろうな
同情する…
それより
「美緒!!」
こいつの怪我手当てするのが先だ
俺が手を伸ばすと…
バシッ…
思いっきり叩(ハタ)かれた
「何すん…「嫌っ、来ないで…やめて」
美緒は後ろに引き下がって
壁にぶつかると縮こまった
俺はジッとその場で静視する他無かった
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
美緒は俺に謝ってくる…違う、
俺を通して誰かを見てる
それは普通に考えて、ある奴が一方的に
美緒を責めてるようにしか見えなくて
その美緒の姿が余りにも痛々しかった…
俺は無意識に強くだけど優しく
美緒を抱きしめた。
こいつは、凄え抗って抵抗したけど
それでも俺は放さなかった。
しばらくすると、
美緒は落ち着いてぐったりとした
「きょう、や…」
「大丈夫か」
儚く消え入りそうな声で美緒は
初めて俺の名を呼んだ
俺は出来るだけ優しい声で美緒に話しかけた
それには美緒は答え無かったが
集点の合わない虚ろな目で俺を見て、
安心したかのように眠った
俺はどこか壊れ物を手にするかのように
美緒を慎重に抱き抱えた
ハア ハア ハア
騒ぎを聞き付けた葵先生と
理事長の凪さんがここに走って来た
葵先生は般若のように形相になっていた
「テメエ!!美緒傷ついたのは
オメエのせいでもあんだからな!!!」
キレられる覚悟は出来てた
俺達、青龍のせいで
こいつが負わなくていい傷を負った、
全部俺のせいだ…
歯を食いしばって次の瞬間に
襲ってくる痛みを待った
だが、
「まぁ、落ち着け葵」
冷静すぎる凪さんが葵先生を止めた
「腕を刺したのは女だ。
まぁ、嫉妬で狂った馬鹿共の仕業だろう。
それに、美緒は馬鹿じゃねえ、
自分を傷つける奴に身体を預けねえよ。」
まだ悔しそうに葵先生は顔を顰める(シカメル)が冷静さを取り戻し俺の腕の中の美緒を見た
「あの時の記憶か…」
「分かんねえ、まぁそれ関係だろうな」
「まだ消えないんだな」
「仕方ねえ、簡単な事じゃねえんだよ」
俺を残して、凪さんと葵先生は
主語なしの会話を始めた
俺には全く分かんねえ…
「あのひとつ聞いていいですか?」
二人は会話をやめて、俺に顔を向けた
「こいつの…美緒の過去に何が
あったんですか…?」
俺を探るような目で見てくる凪さんの
目線を反らさず、真っ直ぐに見た
「美緒が辛そうな顔をしたのを見たのは
これだけじゃないんです。昼も、こいつは泣きそうな顔したんです。」
俺は必死に伝えた…
「俺に…教えてください…」
すると、凪さんは
「全てを受け止められるか…」
「はい」
俺は迷わず返事した
「苦しくても、こいつを見捨てねえか」
「はい」
凪さんは不適に笑うと、
俺の背中をドンッと叩いた
「なら本人から聞け、
お前が本気で受けとめるんだったら
こいつから話すだろ」
「……はい」
俺はまだあやふやな気持ちを抱えたまま
美緒の寝顔を見た
美緒は俺の服をしっかり掴んでいた
沈黙が起こった…
穏やかな沈黙を破ったのは凪さんだった
「美緒を青龍の姫にするんだってな」
威圧的な声で凪さんは俺に話しかけた
「はい」
真っ直ぐ凪さんを見て返事した
「こいつ傷付けたら承知しねえ、
絶対見捨てんじゃねえ…それだけだ。」
今の凪さんが凄え格好よく見えた
「はい」
俺は腕の中で眠っている美緒を
優しく見つめた
「美緒寝てるから、起きるまでお前傍に居てやれ。そんで倉庫にでも連れてけ」
「わかりました。」
俺は美緒を抱えて昇降口に向かった
後ろからは葵先生の怒鳴り声が聞こえた
「良いのかよ、彼奴に任せて!!」
「美緒を見りゃ分かる…彼奴は平気だ」
凪さんが呟くような声でそんなことを言ってたなんて俺は気がつかなかった
教室が開くとあの女、美緒が戻ってきた
だけど具合が悪いみたいで
葵先生が薬を取りに行った
頭痛か…
だが五月蝿いみたいで縮こまったから
クラスにいる奴等を黙らした
「ありがと」
こいつが珍しく感謝してくれた
「ああ」
なんか頬が熱い…照れてんのか俺…
だが他のクラスから来た
青龍の追っかけ共が騒がしくさせる
美緒は…
理事長室に向かった
彼奴大丈夫かな…ふらついてたぞ
美緒の心配で一杯になっていると
先程居た青龍の追っかけのうち何人かが
美緒を追いかけて行ったのが見えた…
糞っ、嫌な予感がする…
俺は慌てて美緒の後を追いかけた
だが…
俺が目にしたのは、美緒が追っかけの女と対等に向かい合っていて、その女に理屈の通らねえ言い分で刃物を刺されている光景だった
だが美緒は刺されるのは分かっていたかのようで、冷静に致命傷を避けていたが刃物は二の腕に刺さった…
それでも冷静な美緒に驚いたが
美緒は自分の血を見ると…
大袈裟なぐらい震えだした
瞳には朝から見てきた無表情と
比べ物にならないくらい闇色に染まって
何も写していなかった。
目の前にいる女や、俺でさえも…
「おい…」
「キャーーーッ!」
一瞬、何が起きたか理解できなかった
初めて聞く、美緒の悲痛な恐怖の叫び声が廊下に響きわたったんだ
目の前で立ちすくんでる女はその叫び声を聞いて、その場から逃げていった
叫び声を聞いた朔弥達が来た
「あの女を追え!!」
「ああ、」
「了解」
「……」
俺の指示で朔弥と夏樹は即効走っていったが、それよりも早く指示を聞く前から女を追っていくのは涼介だった
佳祐と祐介は刺した女と一緒に
手を組んでた女達を捕まえてた…
後でしっかり朔弥に
お仕置きされんだろうな
同情する…
それより
「美緒!!」
こいつの怪我手当てするのが先だ
俺が手を伸ばすと…
バシッ…
思いっきり叩(ハタ)かれた
「何すん…「嫌っ、来ないで…やめて」
美緒は後ろに引き下がって
壁にぶつかると縮こまった
俺はジッとその場で静視する他無かった
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
美緒は俺に謝ってくる…違う、
俺を通して誰かを見てる
それは普通に考えて、ある奴が一方的に
美緒を責めてるようにしか見えなくて
その美緒の姿が余りにも痛々しかった…
俺は無意識に強くだけど優しく
美緒を抱きしめた。
こいつは、凄え抗って抵抗したけど
それでも俺は放さなかった。
しばらくすると、
美緒は落ち着いてぐったりとした
「きょう、や…」
「大丈夫か」
儚く消え入りそうな声で美緒は
初めて俺の名を呼んだ
俺は出来るだけ優しい声で美緒に話しかけた
それには美緒は答え無かったが
集点の合わない虚ろな目で俺を見て、
安心したかのように眠った
俺はどこか壊れ物を手にするかのように
美緒を慎重に抱き抱えた
ハア ハア ハア
騒ぎを聞き付けた葵先生と
理事長の凪さんがここに走って来た
葵先生は般若のように形相になっていた
「テメエ!!美緒傷ついたのは
オメエのせいでもあんだからな!!!」
キレられる覚悟は出来てた
俺達、青龍のせいで
こいつが負わなくていい傷を負った、
全部俺のせいだ…
歯を食いしばって次の瞬間に
襲ってくる痛みを待った
だが、
「まぁ、落ち着け葵」
冷静すぎる凪さんが葵先生を止めた
「腕を刺したのは女だ。
まぁ、嫉妬で狂った馬鹿共の仕業だろう。
それに、美緒は馬鹿じゃねえ、
自分を傷つける奴に身体を預けねえよ。」
まだ悔しそうに葵先生は顔を顰める(シカメル)が冷静さを取り戻し俺の腕の中の美緒を見た
「あの時の記憶か…」
「分かんねえ、まぁそれ関係だろうな」
「まだ消えないんだな」
「仕方ねえ、簡単な事じゃねえんだよ」
俺を残して、凪さんと葵先生は
主語なしの会話を始めた
俺には全く分かんねえ…
「あのひとつ聞いていいですか?」
二人は会話をやめて、俺に顔を向けた
「こいつの…美緒の過去に何が
あったんですか…?」
俺を探るような目で見てくる凪さんの
目線を反らさず、真っ直ぐに見た
「美緒が辛そうな顔をしたのを見たのは
これだけじゃないんです。昼も、こいつは泣きそうな顔したんです。」
俺は必死に伝えた…
「俺に…教えてください…」
すると、凪さんは
「全てを受け止められるか…」
「はい」
俺は迷わず返事した
「苦しくても、こいつを見捨てねえか」
「はい」
凪さんは不適に笑うと、
俺の背中をドンッと叩いた
「なら本人から聞け、
お前が本気で受けとめるんだったら
こいつから話すだろ」
「……はい」
俺はまだあやふやな気持ちを抱えたまま
美緒の寝顔を見た
美緒は俺の服をしっかり掴んでいた
沈黙が起こった…
穏やかな沈黙を破ったのは凪さんだった
「美緒を青龍の姫にするんだってな」
威圧的な声で凪さんは俺に話しかけた
「はい」
真っ直ぐ凪さんを見て返事した
「こいつ傷付けたら承知しねえ、
絶対見捨てんじゃねえ…それだけだ。」
今の凪さんが凄え格好よく見えた
「はい」
俺は腕の中で眠っている美緒を
優しく見つめた
「美緒寝てるから、起きるまでお前傍に居てやれ。そんで倉庫にでも連れてけ」
「わかりました。」
俺は美緒を抱えて昇降口に向かった
後ろからは葵先生の怒鳴り声が聞こえた
「良いのかよ、彼奴に任せて!!」
「美緒を見りゃ分かる…彼奴は平気だ」
凪さんが呟くような声でそんなことを言ってたなんて俺は気がつかなかった