【空色の未来[海色の過去]】
美緒side
まさかストレートで言うなんて
彼奴馬鹿でしょ…
てか馬鹿決定…
無表情だけど内心プンスカ怒りながら
階段を降りると、
ここが大きな倉庫の中だっていうことが
わかった。
しかも私がいた部屋はその倉庫の中に建てられていたみたいだったから驚きもの
ここは多分…
青龍の溜まり場だな
それを物語るかのように、
バイクだか車だか、騒音をたててカラフルな髪の毛の不良が沢山集まっていた。
その中には…
「美緒ちゃーんおはよ!!こっちおいでよ」
夏樹や青龍の幹部達も揃っていた
そうだ、夏樹に送ってもらおう…
私はそそくさと夏樹の所に向かった
「夏樹、家まで送って…」
「それをしたいのも山々だけど、
響也が睨んでるからまた今度な…。」
私の後ろを見て顔を青くさせてる夏樹の
視線の後を追うと…
眼光を鋭くさせた響也が夏樹を睨んでた
そして私に視線を移すと、
その表情を柔らかくさせた。
ザワザワ…
「(おい、総長が女に笑いかけたぞ)」
「(総長が女に心許したのかよ)」
「(これはもう、奇跡だろ)」
私の耳にまで聞こえてんだから、
響也には勿論聞こえてるでしょうね。
あーあ、眉間にシワ寄っちゃってるよ
それより…
「夏樹に送って貰おうとしただけなんだから、睨む必要ないでしょ?」
私はさっきの響也の態度を思いだし
無性に腹がたったから言ってやった。
「俺が送る…」
「いい、夏樹に送って貰う」
ザワザワガヤガヤ…
さっきよりも五月蝿くなったんだけど
「(あの女、総長の誘い断ったぞ)」
「(総長が女をバイクに乗させたことねえのにな…)」
なんか私が悪いみたいになってんだけど…
もうどうでも良いけど…
「夏樹…送って…」
「でも美緒ちゃん、響也が…」
「良いの、響也なんて放って……わっ」
夏樹と話してる最中に後ろから響也が
無理矢理私を抱き上げてきた…
「俺のに乗れ」
ったく強引過ぎ…
女にモテないよ…
まあ響也顔良いから平気か…
嫌…彼氏にするなら中身が一番でしょ
ズカズカと自分のバイクに向かうと
そのまま私を後ろに乗せた
「掴まれ、墜ちるぞ」
「ん」
私は素直に怪我したくないから響也の
革ジャンにしがみついた
ブーンッ…ブロロロー…
大きな音をたててバイクは走り出した
それはもう速いってレベルじゃなくて
台風のなかに突っ込まれたような想いをするぐらい、響也の運転は猛獣だった。
懐かしい…
__の運転もこんな感じに走ってたな
風が気持ちいい…
数十分たつと、私の家の前に到着した。
「俺の運転どうだった?恐かったか」
「ううん、恐くない…気持ち良かった」
私はヘルメットを取ると響也に渡した
「そっか…」
何か言いたそうに私を見つめる響也に
私は言葉が出てくるまで待つことにした
「唐突にあんな事聞いて悪かった。
確かに俺はまだ
お前の事を知らないし
お前も俺の事を知らない…
だけど、お前を救いたいのは
変わらない…絶対に…。」
私は雲一つない夜空に瞬く星を
見上げながら響也に言った。
「この世界には…絶対は存在しない。
誰かを救おうとすれば
他の誰かが傷ついてしまう。
……貴方にとって大切な物が
消えてしまうかもしれない
……大切な人を
奪われてしまうかもしれない
それでも、私を救える?」
何を言われても仕方ないかもしれない
でも、それでも…
間違えてほしくない。
人を救うとは簡単に言えることじゃないってこと。
まだ大丈夫…
響也が私のせいで傷つく必要は
無いんだよ
響也を見ると、
困惑した顔で私を見つめてた
きっと10分ほどの
やり取りだったと思うけど、
私にとったら永遠に感じた
短いようで長い沈黙が
私と響也を包み込んだ
「ばいばい」
私は響也を一瞥(イチベツ)すると
家に入ろうとした
だけど、
響也の腕が私を包み込むように
抱き締めてきたから足を止めた
「だったら、尚更お前を救いてえ。
お前はそうやって人を巻き込まないように自分で背負って来たんだろ…
もう充分だ、次は俺が守ってやる…
大切なものがどうなるとかじゃなくて、
お前を守りたい…それだけだ…。」
(お前は充分頑張った、後は俺に任せろ…)
(俺にも守りてえ奴がいる…お前だ…。)
__と被る…
本当にいけそうな気がする…、
この暖かい感覚
この男を…響也を、
信じてみたくなった…。
「きょ…や」
小さい声で名前を呼ぶと少しだけ
響也は強く抱き締めた
少したつと…響也は放してくれて
自分のバイクに跨がった
「明日は学校に来い。朝は迎えに行く」
「ん」
響也は私の頭をポンポンした後
バイクを走らせ帰っていった
明日も響也に会える…その事に少しだけ心が暖まる私がいた
私も家の中に入っていった
その後は、
連絡を凪から聞いたのに納得してない
狼牙にたっぷりお説教されて
響也にお世話になったって言ったら
青龍を潰すとか言い出すから止めるのに
時間がかかった…。
全然気がつかなかったけど
女の子に二の腕刺されてから1週間は
たっていたそうだ…
お陰で風邪は治って…
傷は少し治ってきたから平気…
なんか波乱万丈な1週間だったな…。
さっき響也が言ってくれたこと
「…お前を守りたい…」
__と被ってたな。
まだ…恐い…。
もう誰かが目の前で傷つくのは嫌っ…
大切な人を自分のせいで消えてく辛さはもう味わいたくない…
だから、
とうぶん響也をまだ信じることは
出来ないと思う。
だけど、
それでも待っててほしい…
私が、私がやるべき事を遂げて
思い出も…大切な人達も…
全てを受けとめる日が来るまでは…。
モヤモヤとした想いは
私の心を締め付けた
私は自分のベッドに寝転がると
目を閉じて二人を思い浮かべた…
__と響也…
どこか似ていて
愛しい気持ちが渦巻いた…
響也…
ありがと
窓から覗く夜空の星は誰よりも綺麗に
輝こうと精一杯瞬いていた
まさかストレートで言うなんて
彼奴馬鹿でしょ…
てか馬鹿決定…
無表情だけど内心プンスカ怒りながら
階段を降りると、
ここが大きな倉庫の中だっていうことが
わかった。
しかも私がいた部屋はその倉庫の中に建てられていたみたいだったから驚きもの
ここは多分…
青龍の溜まり場だな
それを物語るかのように、
バイクだか車だか、騒音をたててカラフルな髪の毛の不良が沢山集まっていた。
その中には…
「美緒ちゃーんおはよ!!こっちおいでよ」
夏樹や青龍の幹部達も揃っていた
そうだ、夏樹に送ってもらおう…
私はそそくさと夏樹の所に向かった
「夏樹、家まで送って…」
「それをしたいのも山々だけど、
響也が睨んでるからまた今度な…。」
私の後ろを見て顔を青くさせてる夏樹の
視線の後を追うと…
眼光を鋭くさせた響也が夏樹を睨んでた
そして私に視線を移すと、
その表情を柔らかくさせた。
ザワザワ…
「(おい、総長が女に笑いかけたぞ)」
「(総長が女に心許したのかよ)」
「(これはもう、奇跡だろ)」
私の耳にまで聞こえてんだから、
響也には勿論聞こえてるでしょうね。
あーあ、眉間にシワ寄っちゃってるよ
それより…
「夏樹に送って貰おうとしただけなんだから、睨む必要ないでしょ?」
私はさっきの響也の態度を思いだし
無性に腹がたったから言ってやった。
「俺が送る…」
「いい、夏樹に送って貰う」
ザワザワガヤガヤ…
さっきよりも五月蝿くなったんだけど
「(あの女、総長の誘い断ったぞ)」
「(総長が女をバイクに乗させたことねえのにな…)」
なんか私が悪いみたいになってんだけど…
もうどうでも良いけど…
「夏樹…送って…」
「でも美緒ちゃん、響也が…」
「良いの、響也なんて放って……わっ」
夏樹と話してる最中に後ろから響也が
無理矢理私を抱き上げてきた…
「俺のに乗れ」
ったく強引過ぎ…
女にモテないよ…
まあ響也顔良いから平気か…
嫌…彼氏にするなら中身が一番でしょ
ズカズカと自分のバイクに向かうと
そのまま私を後ろに乗せた
「掴まれ、墜ちるぞ」
「ん」
私は素直に怪我したくないから響也の
革ジャンにしがみついた
ブーンッ…ブロロロー…
大きな音をたててバイクは走り出した
それはもう速いってレベルじゃなくて
台風のなかに突っ込まれたような想いをするぐらい、響也の運転は猛獣だった。
懐かしい…
__の運転もこんな感じに走ってたな
風が気持ちいい…
数十分たつと、私の家の前に到着した。
「俺の運転どうだった?恐かったか」
「ううん、恐くない…気持ち良かった」
私はヘルメットを取ると響也に渡した
「そっか…」
何か言いたそうに私を見つめる響也に
私は言葉が出てくるまで待つことにした
「唐突にあんな事聞いて悪かった。
確かに俺はまだ
お前の事を知らないし
お前も俺の事を知らない…
だけど、お前を救いたいのは
変わらない…絶対に…。」
私は雲一つない夜空に瞬く星を
見上げながら響也に言った。
「この世界には…絶対は存在しない。
誰かを救おうとすれば
他の誰かが傷ついてしまう。
……貴方にとって大切な物が
消えてしまうかもしれない
……大切な人を
奪われてしまうかもしれない
それでも、私を救える?」
何を言われても仕方ないかもしれない
でも、それでも…
間違えてほしくない。
人を救うとは簡単に言えることじゃないってこと。
まだ大丈夫…
響也が私のせいで傷つく必要は
無いんだよ
響也を見ると、
困惑した顔で私を見つめてた
きっと10分ほどの
やり取りだったと思うけど、
私にとったら永遠に感じた
短いようで長い沈黙が
私と響也を包み込んだ
「ばいばい」
私は響也を一瞥(イチベツ)すると
家に入ろうとした
だけど、
響也の腕が私を包み込むように
抱き締めてきたから足を止めた
「だったら、尚更お前を救いてえ。
お前はそうやって人を巻き込まないように自分で背負って来たんだろ…
もう充分だ、次は俺が守ってやる…
大切なものがどうなるとかじゃなくて、
お前を守りたい…それだけだ…。」
(お前は充分頑張った、後は俺に任せろ…)
(俺にも守りてえ奴がいる…お前だ…。)
__と被る…
本当にいけそうな気がする…、
この暖かい感覚
この男を…響也を、
信じてみたくなった…。
「きょ…や」
小さい声で名前を呼ぶと少しだけ
響也は強く抱き締めた
少したつと…響也は放してくれて
自分のバイクに跨がった
「明日は学校に来い。朝は迎えに行く」
「ん」
響也は私の頭をポンポンした後
バイクを走らせ帰っていった
明日も響也に会える…その事に少しだけ心が暖まる私がいた
私も家の中に入っていった
その後は、
連絡を凪から聞いたのに納得してない
狼牙にたっぷりお説教されて
響也にお世話になったって言ったら
青龍を潰すとか言い出すから止めるのに
時間がかかった…。
全然気がつかなかったけど
女の子に二の腕刺されてから1週間は
たっていたそうだ…
お陰で風邪は治って…
傷は少し治ってきたから平気…
なんか波乱万丈な1週間だったな…。
さっき響也が言ってくれたこと
「…お前を守りたい…」
__と被ってたな。
まだ…恐い…。
もう誰かが目の前で傷つくのは嫌っ…
大切な人を自分のせいで消えてく辛さはもう味わいたくない…
だから、
とうぶん響也をまだ信じることは
出来ないと思う。
だけど、
それでも待っててほしい…
私が、私がやるべき事を遂げて
思い出も…大切な人達も…
全てを受けとめる日が来るまでは…。
モヤモヤとした想いは
私の心を締め付けた
私は自分のベッドに寝転がると
目を閉じて二人を思い浮かべた…
__と響也…
どこか似ていて
愛しい気持ちが渦巻いた…
響也…
ありがと
窓から覗く夜空の星は誰よりも綺麗に
輝こうと精一杯瞬いていた