【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「じゃあ...今年も一緒に行く約束とかしてるんですか??花火大会ってもう少しですよね??」
「ち、千沙ちゃん!?!」
あまりにも突然過ぎて、ちょっと...いや、かなり頭が追いつかない。
「やっぱり女の子はそーゆうの大切にしたいですよー!!ね、未菜?」
「......」
「未菜??」
トントン──
あまりにも未菜は上の空で、千沙ちゃんは未菜の肩を突っつく。
「えっ??」
するとやはり俺達の話は聞こえてなかったようで、きょとんとしている。
けれど今の会話を聞いていなかったのは、俺にとったらありがたい話。
「未菜疲れてるのかなって話だよ」
だから俺はわざと違う話のことを伝えた。
案の定千沙ちゃんには、えっ?という顔で見られたけど。
「えっと、全然、まったく!むしろ元気が有り余ってるよ!!!」
けれどそんなことを知らない未菜は、俺達に疲れてないアピールをして見せた。
とびきりの笑顔で、ダブルピースを向けている。
「なら良かった」
その時思いついた適当な言葉を口にして、その場を収めた。