【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「......」
翼は口を濁した。
そりゃそうだ。
自分でも分かってる、避けられてるって。
けど...なして避けられてるのか心当たりが全くない。
「俺なにかしたっけなぁー......」
若干目頭が熱くなるものの、必死に我慢する。
好きな人に避けられ続けるのは正直メンタルボロボロ。
「...明日は......花火大会なのに...」
2週間前に約束して、あれっきり花火大会の話なんてしてない。
そもそも、あの日以来...未菜と話してない。
校内で見かけることはあっても、未菜は俺の姿を見つけると血相を変えてどこかへ行ってしまう。
「...もうさ、こうなったら待ち伏せしようぜ」
「は??」
「いや、だってさ明日だろ。花火大会。未菜ちゃん待ち伏せして、仲直り?するならしていつも通りのお前達に戻れよ。じゃないと、瑠星の周り空気重すぎてついていけねーよ!!」
翼は笑い飛ばしながらそう言った。