【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


その時。



「ふふ。立派に有終の美を飾りましたね」



そんな千沙の声が聞こえてきた。



有終の美って??



思わず足を止める。



「あれれ、翼先輩まだ言ってなかったんですか??」



「黙れよ」



「ふふ、黙りませんよ」



「...まだって...なにか...あるんですか??」



恐る恐る翼くんに尋ねる。

だけど翼くんはバツが悪そうに私から視線を逸らす。



「翼...くん??」



「翼先輩自分から言えない感じですか??」



「黙れよ...黙れ!!!」



翼くんは再び千沙に怒鳴る。



「だーかーら。黙りませんって、何回言ったら分かるんですか??ふふっ」



そして千沙は1度微笑むと、



「翼先輩はね、もう学校に来れないんだよ」



とサラッと言ってのけた。



「えっ.........???」



学校に来れない...?

どうして??

< 144 / 254 >

この作品をシェア

pagetop