【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
その日の放課後、俺は未菜を待つわけもなく帰ろうと昇降口に足を運んだ。
「りゅーちゃん!!」
昇降口では俺のことを待っていたらしい未菜が俺の前に現れた。
「...」
「...その...この間はごめんなさい」
未菜は目をうるうるさせて謝る。
「...別に」
「...りゅーちゃ「あのさ」」
未菜の言葉を遮った。
「翼学校にいないんだけど。翼のこと知ってたわけ?」
もしかしたら...って思ったけど。
そう聞いた時の未菜の顔はたいして驚いた顔もせず、俺から視線を逸らした。
その反応が答えなようなものだった。
「知ってたんだ」
俺には言えなかったけど、未菜には言える。
所詮はそんな関係だったんだ。
「お前ら最低だな。コソコソしてさ、俺のことをどうせ笑ってたんだろ」
低い声でボソッと呟いた。
もう、こんなヤツらに怒鳴る気にもならない。