【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「違う!!そんなんじゃない!!」
未菜は今更必死に否定した。
ここで否定すればするほど怪しくなるのに。
そんな未菜から視線を外すと俺は、わざと遠ざける言葉を発した。
「もういい。僕に話しかけんな」
俺は未菜をその場に置いて歩き始めた。
そして、1人、声を押し殺しながら泣いた──
本当は前みたいに仲良くしていたい。
本当はあんな酷い言葉を言いたくない。
だけど...
そうでもしないと、俺の心が壊れそうなんだ。
必死に好きな子の前でカッコっけて、大人ぶったって限界がある。
所詮、たかが中学生。
たかが15歳なんだ。
そんな俺が今ここで出来るのは、相手を酷い言葉で突き放すだけ。
もしも、この出来事がもっと先...17歳とか19歳とかだったら...上手に仲直りとか、解決が出来たのかな...??