【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


「もう良いの?」



病院のロビーにいた未菜の両親の元へ俺は行くと頷いた。



「あの...あと1つお願いがあるんです」



そのお願いのためにここに来たのも理由の1つ。



「...未菜に貸していた俺のCD...取りに伺ってもいいですか...?」



未菜の前から姿を消すためにも、俺の私物を回収する必要があった。



「...えぇ、今からでも大丈夫かしら?」



きっと未菜の両親はどうして俺がこんなことを言い出したのか勘づいているようで、少し寂しそうにしている。

コクンと頷くと、未菜のお父さんが運転する車に乗ると3人で相川家に向かう。



家に着くと、俺は1人で未菜の部屋に入った。

懐かしい、白を基調とした部屋が広がる。



俺は未菜がよく大切な物を置くスペースに足を運んだ。

未菜は昔から俺から借りたCDや漫画等はそのスペースに置くのが癖。



俺は少し埃がかったCDを手に取った。

その時...



コツン──



CDを持ち上げた時になにかが床に落ちた。



「...鍵...??」

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