【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
でも未菜は一向に退院する気配なく、卒業式を迎えた。
瑠星先輩の卒業式。
久しぶりに目にした先輩は、以前より痩せていて、気力を失っていた。
私がそうさせたんだ。
先輩を好きになって...周りが見えていなかった。
見ようとしていなかった。
私はそんな先輩を私はただただ眺めることしか出来ない。
声を掛けることも。
支えることも。
なにもかも今の私には出来ない。
この場に未菜がいたら...
最後に先輩の笑顔を見られたのかな。
2人が笑い合う光景を想像しては、自分のしたことの重さに胸が締め付けられる。
傷つける言葉を沢山言った。
毎日未菜の家に写真を送り付けた。
2人の中が悪くなるよう仕掛けた。
翼先輩にも酷いことをした。
仲良くしてくれた3人。
そんな大切な人達を裏切った。