【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「...未菜?...」
俺はなにがなんだか分からなかった。
未菜の周りにはあっという間に人だかりが出来ていく。
「相川さん!?」
「未菜ちゃん!?!大丈夫?」
まるで、あの時の様だ──
そう思った時、また未菜を失うんじゃないかという不安が俺を襲った。
俺は走って未菜の元へ駆けつけた。
「っ...未菜、未菜!!」
もう、嫌だ。
あの日みたいなのは二度とごめんだ。
お願いだから...無事でいてくれ。
「俺、保健室に連れて行きます」
そう言うと俺は未菜をお姫様抱っこで抱き上げると保健室まで急いだ。
「大丈夫だから...大丈夫...」
そんな未菜に何度も何度も声を掛けた。