【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「......足、速すぎですよ......」
速くたって、未菜に合わせられなかったら意味がない。
「先輩と......話したいのに......」
その言葉は俺の胸をえぐった。
未菜は再び走り出し、学校をあとにした。
「......これで良いんだ」
未菜と関わらないためにも。
未菜を傷つけないためにも。
未菜を守るためにも。
未菜......
「...好きだよ......」
俺は自分の手を見つめ、届かない思いを口にした──