【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「どっか行けよ」
いい加減我慢に絶えず相手を睨んで言葉を吐き捨てる。
「あ!やっと言葉を返してくれましたね」
けれどそんなの相手には無意味だった。
「……」
「せっかく未菜のこと教えてあげようかな~って思ったんですけど…先輩が聞きたくなさそうなので帰りますね」
こうやって、わざと俺の気になっていることを言ってくる。
アイツは俺が絶対に聞き返すことを分かっている。
分かっているが…
「知ってるなら言えよ」
聞かずにはいられない俺が心底気持ち悪い。
「やっと私と話してくれる気になりましたか!」
「…」
悔しいけれど、未菜の話になるとアイツの方が1枚上手だ。
「はいはい。じゃあ、話しますよ」
そいつは不敵な笑みを俺に向けた。