【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「どうしたの未菜ちゃん?」
瀬川は未菜に声をかけていた。
「...須藤先輩は...」
嘘だろ。
まさか怪我のこと言う気じゃ!!
「やめろっっ!!」
「足怪我してます!!」
俺の言葉は虚しく響いた。
それと同時にみんな俺の方を向く。
「...そうなのか?」
「足見せて」
長沢は俺の足を見た。
テーピングで固定された足を。
「なにこれ...」
もう俺はなにも言えなかった。
「長沢、お前次の試合棄権しろ」
ほら...やっぱり。
部長は俺にそう告げた。
俺は悔しくて悔しくて、役立たずの俺に腹が立ち下を向くことしか出来ない。
「長沢には悪いがそれで良いか?」
「はい」
「......ごめん...長沢...」