【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


ずっとなにかが心の中で引っかかっていたんだ。



私の記憶について千沙しか知らない状況。

なのに、この高校に来て違和感を感じる。

なにか大事なことが側にある気がする。

だけど思い出すことは不可能で、違和感の正体も分からない。



けれど...キミの姿を見て──

キミのテニスをしている姿を見て──



──全部思い出したんだ──



中学生の出来事を。



幼すぎたあの頃を。



嫌な記憶も。



楽しい記憶も。



苦しかった記憶も。



幸せだった記憶も。



私に欠けていた全ての記憶を。

< 208 / 254 >

この作品をシェア

pagetop