【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
ずっとなにかが心の中で引っかかっていたんだ。
私の記憶について千沙しか知らない状況。
なのに、この高校に来て違和感を感じる。
なにか大事なことが側にある気がする。
だけど思い出すことは不可能で、違和感の正体も分からない。
けれど...キミの姿を見て──
キミのテニスをしている姿を見て──
──全部思い出したんだ──
中学生の出来事を。
幼すぎたあの頃を。
嫌な記憶も。
楽しい記憶も。
苦しかった記憶も。
幸せだった記憶も。
私に欠けていた全ての記憶を。