【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
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記憶がなくなったことで親や友達に迷惑を掛けてきた。
その度に何度も悩み、何度も自分を恨んだ。
どうして記憶が消えるの?
どうして私だけなの?
どうして誰も昔のことを教えてくれないの?
私だけが知らない〝過去〟がある。
〝過去〟の自分はなにをしていたのか。
〝過去〟の自分はどんな人だったのか。
〝今〟を生きてる私は本当にに私なのか。
不安で不安でたまらなかった...
早く記憶が戻って欲しかった。
なのに...
いつまでたっても戻らない記憶に苛立ち、私は何度も泣き叫んだ。
でも──
記憶が戻った今。
心にぽっかりと空いた穴は埋められたはずなのに、また別なところに穴が空いていた。
〝私がみんなを狂わせた。〟
この事実が重くのしかかる。