【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
でも、私はそんなキミに知って欲しかった。
この場にキミのことを恨む人なんていないと。
だから私は、怪我のことをバラした。
キミの心を少しでも軽くしたかった。
今回のことで私がいくらキミに嫌われようと、バラしたことを後悔していない。
『......須藤先輩は...もっと自分を大切にしてください』
病院の帰りキミにありったけの思いを乗せて言葉を掛けた。
この言葉を口にした時、涙が零れ落ちた。
過去の私と今の私からの言葉。
本当は、キミに全部打ち明けたい。
大切なキミの側にいたい。
大切なキミを抱き締めたい。
大切なキミと笑い合いたい。
大好きなキミを救いたい。
だから...
もう、過去を手放して良いよ──
『ありがとう』
キミの言葉は暖かく、更に涙は止まらなくなった。