【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
記憶は、思い出は、心の奥底に鍵をかける。
「......そっか...」
「うん。今日...とっちに話せて良かった。知ってくれている人が1人でもいると、私は独りなんかじゃないんだって思えたよ」
私の他にとっちが知っていてくれている。
覚悟も。
不安も。
苦しさも。
寂しさも。
だから、私は今日も明日も〝私〟を生きていける。
「ありがとう」
そう言うと、とっちは私の頭を優しく撫でた。
〝ありがとう〟なんて言葉をいくら掛けたって足りない。
それでも私はこの言葉以上の言葉を見つけることが出来ず、何度もこの言葉を口にするんだ。