【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
高校1年の春。
ソフトテニス部のオリエンテーションで、瑠星と初めて会った。
俺達1年でソフトテニス部に入るのは男子では俺と瑠星の2人だけ。
他にはマネージャとして女子の玲依ちゃん。
男子が2人だけなんだから、挨拶しようとオリエンテーションが終わると俺は瑠星に話し掛けたんだ。
「ねぇ」
俺が呼ぶと黙って立ち止まる。
なにごとも初めが肝心って言うし、俺は飛びっきりの笑顔を作った。
そして、
「これからよろしくね!」
って挨拶したのだ。
もちろん初対面だし、これから同じ部活でやっていく仲間だし、相手もきっと〝よろしく〟とか言ってくれると思っていた。
...けど、それは俺の勘違い。
瑠星は俺のことを鋭く睨みつけガン無視。
いやいやいや。
聞こえてたよね?
俺の言葉!!
そして何事も無かったかのように俺の前を後にした。
「アイツなんなんだよ」
このおかげで、瑠星の第一印象は超超超最悪に。
もうあんなヤツと話すもんか!なんて思っていた。