【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
それから俺はいつもみたいに、いや、いつも以上に話し掛けた。
お前の側には俺がいる。
例えお前が俺を信じていなくても、俺はお前を信じる。
俺はお前の味方だ。
そう分かってもらいたかった。
瑠星は〝邪魔〟〝鬱陶しい〟〝煩い〟なんて言ってきたけれど、確実に前よりは会話が増えた。
1年が終わりを迎える時には、俺と瑠星は普通に話すようになっていた。
だけど...
瑠星は今も心の底から笑わなかった。
こうして2年に進級した時、未菜ちゃんが俺達の目の前に現れたんだ。
これで瑠星の傷は少しでも癒えるのかと思ったけれど、それは真逆で徐々にまた入学当初の瑠星に戻り始めていった──