【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
あれから私達はあの日の出来事が無かったかのように、いつも通りに過ごしていた。
瑠星は相変わらず感情を表に出さない。
そんな瑠星の心の一部を知れたのはきっと今のところ私だけだろう。
そんな私もみんなと騒いだり、マネの仕事をこなす。
瑠星への気持ちがなくなったのか、と聞かれたらそんなことない。
だけど、どこか胸の奥がスッと軽くなり、いつかこの気持ちは消えるんだろなと思い始めていた。
必要最低限の会話しかしないけど、あの日私に少しでも話したことで瑠星の気持ちが軽くなっていることを願うだけ。
いつか...瑠星の前に瑠星の大切な人が現れたら、その時私は全力で力になろう。
ウザがられても、どんなに嫌がられても、もう2度と瑠星が後悔しないように。
そして私は、いつでもキミが弱音を吐けるよう。
いつでも頼れるよう。
私はキミの側にいるよ。
この恋が叶わなくたっていい。
報われなくたっていい。
ただ、キミが笑顔になれるなら。
私はそれで良いんだ。