【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
あの日、未菜が事故にあったあの日から毎晩夢を見る。
夢の始まりはいつだって未菜が教室から飛び出す瞬間から始まる。
俺はあの日のように追いかけるんだ。
走って、走って、走って。
息が苦しくなっても走り続け、未菜を追いかける。
あと少しで追いつきそうになると、未菜は必ず俺の方を向く。
そして1度微笑んだ後、俺を睨んで言うんだ。
『最低ね』
って。
そんな未菜に俺は泣きながら謝る。
土下座だって、なんだってした。
藁にもすがる思いで必死に何度も謝った。
だけど未菜は、いつも俺の目の前で事故に遭う...
出来れば2度と見たくない場面。
でも絶対に忘れてはいけない場面。