【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
私達のクラスはメイド喫茶を行う。
そのため、教室の装飾から衣装等の仕上げにこの1週間は慌ただしく過ぎ去っていった。
学祭前日──
「未菜!お待たせ!」
昇降口で待っていた私の元に千沙がやって来た。
「ううん、大丈夫だよ」
私と千沙は放課後明日の買い出しに行くことになった。
買い出しと言っても、不足分を買うだけだからそこまで荷物が多くなるわけでもないだろう。
「あれ、未菜じゃん」
学校を後にしようとした時、丁度とっちと鉢合わせになった。
「これからどこか行くの?」
「うん、明日の買い出しに行ってくるの」
「山野さんと?」
とっちは複雑な表情を一瞬した。
それはきっと...私のことを心配したのだろう。
だから、少しでもそんな心配をしなくても良いように私はとびっきりの笑顔を作った。
そして、
「うん!千沙ちゃんと!」
と答えた。
その笑顔に安心したのか、とっちも笑顔になった。
「楽しんでこいよ!あっ...」
「なしたの?」