【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「須藤先輩は部活ない日はやっぱり直帰する感じですか?」
なにかと思えばとっちはりゅーちゃんに話を振っていた。
「そうだけど」
「学祭前とかテスト前しか部活殆ど休み無いしやっぱそうですよね!明日は前夜祭ですし、ゆっくり休んでくださいね!」
「...うん」
りゅーちゃんはいきなり話し掛けられ戸惑いながらも帰って行った。
「よし!じゃあ、俺は荷物持ちとしてお供します!」
そして今度は私達がとっちに話し掛けられた。
「え、大丈夫なの?市谷くん帰るところだったんじゃ...」
「大丈夫!大丈夫!女子2人だと大変でしょ、荷物持ちいた方が絶対いいって!」
多分とっちは私達に気を使ってくれたんだ。
少しでもあの雰囲気が明るくなるように。
少しでも複雑な気持ちを拭えるように。
そんなとっちの優しさに泣きそうになりながらも、
「ありがとう...とっち!」
お礼を言えば、とっちは私の頭を優しくポンポンと撫でた。
それから私達は3人で買い出しに向かった。
買い物中もとっちは私達に沢山話し掛けてくれて、とっちのおかげで笑いながら買い出しを済ませることが出来た。