【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜


「須藤先輩は部活ない日はやっぱり直帰する感じですか?」



なにかと思えばとっちはりゅーちゃんに話を振っていた。



「そうだけど」



「学祭前とかテスト前しか部活殆ど休み無いしやっぱそうですよね!明日は前夜祭ですし、ゆっくり休んでくださいね!」



「...うん」



りゅーちゃんはいきなり話し掛けられ戸惑いながらも帰って行った。



「よし!じゃあ、俺は荷物持ちとしてお供します!」



そして今度は私達がとっちに話し掛けられた。



「え、大丈夫なの?市谷くん帰るところだったんじゃ...」



「大丈夫!大丈夫!女子2人だと大変でしょ、荷物持ちいた方が絶対いいって!」



多分とっちは私達に気を使ってくれたんだ。

少しでもあの雰囲気が明るくなるように。

少しでも複雑な気持ちを拭えるように。



そんなとっちの優しさに泣きそうになりながらも、



「ありがとう...とっち!」



お礼を言えば、とっちは私の頭を優しくポンポンと撫でた。



それから私達は3人で買い出しに向かった。

買い物中もとっちは私達に沢山話し掛けてくれて、とっちのおかげで笑いながら買い出しを済ませることが出来た。

< 236 / 254 >

この作品をシェア

pagetop