【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
───
──
─
学校祭、前夜祭当日。
朝から最終作業に追われ慌ただしく時間は過ぎ、気がつけば18時過ぎ。
《19時からグラウンドにて前夜祭を行いますので、グラウンドに集合してください。繰り返します...》
校内には集合を呼び掛ける放送が響き渡る。
それを聞いた生徒はぞろぞろとグラウンドに足を向ける。
私も作業が丁度終わったため、千沙と一緒に向かおうとしたが教室に千沙の姿はなかった。
「相川さんは行かないの?早く行かないと良い場所取れないよ?」
前夜祭では花火が打ち上げられる。
みんなその花火の場所取りも兼ねてグラウンドに急ぐ。
「あ、うん。でも千沙ちゃんが...」
「それならさっき教室から出ていったけど...先に作業終わったからグラウンドに向かったんじゃない?」
そうだとしたら良いんだけど...
「教えてくれてありがとう!」
クラスメイトにお礼を言うと、教室を出て千沙を探した。
けれどどこの教室にも千沙の姿はない。
やっぱりグラウンドに行っちゃったのかな?
「あれ、まだいたの?」
突然声を掛けられて振り向けばとっちがいた。
「とっちこそまだいたの?」