【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
そんな様子を見ていたとっちがいきなり立ち上がると、
「来て」
と言い私の手を引っ張ると歩き出した。
「えっ!?誰?」
私達の足音に気づき、千沙は声を発した。
「...未菜...!?」
そして千沙の前に私達は姿を現した。
涙ている姿を見られたくなく、とっちの後ろに隠れる。
「未菜、隠れないで」
そう言われても涙は止まらなくて、隠れてしまう。
「未菜!本当に友達だと思ってるなら、本気でぶつかれよ!!隠さず全部言えよ!!じゃなきゃ...また同じことの繰り返しだろ...」
とっちは私を怒った。
けれどそれは優しさ故の言葉。
私は1歩ずつ千沙の前に出た。
「未菜...?」