【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「ねぇ、未菜。先輩に気持ち伝えないの?」
「えっ?」
突然そんなことを言われても...
「だって、記憶が戻っていない時もさ...好きだったでしょ?」
「...それは...その...」
気になるというか、好きというか...
「記憶がなくても惹かれるって、もうそうゆう運命なんだよ」
「運命...」
「きっと、先輩知ったら喜ぶよ。いつだって先輩の1番は未菜だから」
「......けど、私よりもっと素敵な人が現れるはずだよ」
「それはないよ。先輩からしたら未菜より素敵な人なんて現れない。私ね、今度こそ未菜のことを応援したいの。背中を押して頑張れ!って応援したい」
千沙は真っ直ぐ私の目を見てそう言った。
「......私伝えてみる...」
そして私は千沙に背中を押されりゅーちゃんに気持ちを伝えることにした。
「頑張れ!!」
「千沙ありがとう!」
私は千沙にお礼を言うと、走り出した。
走って走って、キミの姿を探す。
グラウンドからは花火の音が鳴り響き、窓からは花火の明かりが廊下を照らした──