【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
ずっと考えていたんだ。
俺は未菜にとって害でしかなくて。
それなら...アイツは未菜にとってなんなんだろうって。
どうして今も友達をやってるんだろうって。
だから聞いた。
『...なぁ...アンタは未菜にとってなんなんだよ』
あの時の出来事じゃ物足りないとか?
まだ未菜を苦しめたいとか?
だから、未菜からしたら偽友達で、アイツからしたらただのストレス解消とか。
そんなんだろうと思った。
けれど返ってきた言葉は...
『......私ですか?......私は、嫌われ者...ですよ』
想像していたものと全く違うものだった。
そう言った時のアイツは今にも泣きそうで、だけど必死に堪えてるように見えた。
その表情を見た時、アイツ...千沙ちゃんも俺と同じように後悔していて、この気持ちのやり場を失っているんだと思った。
そして行き着いた答えが、嫌われ者であること。
俺と千沙ちゃんは同じだ。
俺も自ら人を遠ざけ、人に好かれるのではなく嫌われることを選択した。
そう思うと俺に千沙ちゃんを攻めることは出来なかった。
苦しいのも、辛いのも、泣きたいのも、全部俺と一緒だから。