【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「私ね...ずっと...記憶がない時も...ずっと...ずっと...りゅーちゃんのことが、好きだった」
あんなに酷い態度とったのに。
未菜は俺のことを知らないのに。
未菜は俺を好きになってくれたことが嬉しくて仕方がない。
「冷たくされても、私はりゅーちゃんを嫌いになることなんて絶対無理」
未菜は俺を抱きしめる力を強めた。
「...千沙にね、そうゆう運命なんだよって言われたの。だとしたら凄く嬉しい」
記憶を取り戻しても千沙ちゃんのことを嬉しそうに話す未菜。
その姿を見て、千沙ちゃんは未菜の側で自分が傷つくにも関わらず守り続け、未菜のことを大切に思っていてくれたんだなと思った。
「...未菜聞いて...」
俺も逃げてばかりじゃダメだ。
過去に向き合わないと前に進めない。前を向けない。
「あの時未菜を信じなくて、突き放して...側にいてやれなくてごめんなさい...逃げて...ごめんなさい...」
あの時言えなかった言葉を伝える。
未菜は俺の言葉に首を横に降った。
「私こそ...たくさん傷つけてごめんなさい」
そして今度は未菜が俺に謝った。
その言葉に俺も〝ううん〟と否定する。