【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜
「ほら!りゅーちゃん早く!電車乗り遅れる!」
「ちょ、待って!急ぐから!」
只今朝の9時。
寮の玄関でバタバタと急ぐ俺達。
「お待たせ千沙!」
そして玄関先で待っている千沙ちゃんの元にむかう。
「本当にお待たせだよ!走りますよ!」
今度は3人で走って駅へと向かうことに。
走ったかいもあって、ギリギリ電車には乗れることが出来た。
「もう、本当りゅーちゃんのせいで朝から走るとか!」
未菜は頬を膨らませて怒ってる。
「本当寝坊とかないですよ」
おまけに千沙ちゃんまで。
「はい...すみません...」
未菜がなかなか迎えに来ない俺を呼びに来て、それで起きる俺とか...情けない。
「でも、本当あの飛び起きた時のりゅーちゃんの顔は今年1番笑った!動画に撮っておけばよかったー!!」
「えー見たかったー!」
けれどなんだかんだで未菜と千沙ちゃんは楽しんでいた。
あの日、前夜祭が終わった後千沙ちゃんは俺に何度も何度も謝った。
そんな千沙ちゃんを改めて怒る気になんてなるわけもなく、むしろ今まで千沙ちゃんに酷いことを言った俺は千沙ちゃんに謝り和解した。
そして、あと1人。
「翼くん元気かなー」
翼に謝るために、俺達は翼の元へと今向かっている。